運動後のストレッチで筋肉痛は防げる?研究から分かる効果と限界 | 都立大学駅の整体・ストレッチのエッセンシャルストレッチラボ
ESSENTIAL STRETCH LAB RESEARCH JOURNAL / 2026

EXERCISE RECOVERY / MUSCLE SORENESS

運動後の
ストレッチで、
筋肉痛は防げる?

運動したら、最後にストレッチ。
当たり前のように続けている習慣には、
どのような科学的根拠があるのでしょうか。

2025年に発表されたメタ分析と、 過去のシステマティックレビューを比較し、 筋肉痛の予防・回復とストレッチの関係を整理します。

2026.10.12 EVIDENCE REVIEW ESL EDITORIAL

01 / THE ANSWER

筋肉痛の予防効果は、
大きく期待しない方がよさそうです。

運動後にストレッチをすると、 筋肉痛が軽くなる。

そう考えている方は少なくありません。 実際、運動後のストレッチを習慣にしている人も 多いと思います。

しかし、複数の研究をまとめた システマティックレビューやメタ分析では、 ストレッチによって運動後の筋肉痛が 明確に軽減するという結果は得られていません。

RESEARCH CONCLUSION 運動後のストレッチには、
筋肉痛を予防・軽減する
明確な優位性が確認されていない。

これは「ストレッチには意味がない」 という結論ではありません。 何を目的にストレッチをするのかによって、 評価すべき効果が異なるということです。

ここで重要なのは、 「筋肉痛を減らすこと」と 「身体を動かしやすくすること」を 同じ効果として扱わないことです。

02 / UNDERSTANDING DOMS

そもそも、
運動後の筋肉痛とは。

慣れていない運動や、 普段より負荷の高い運動を行ったあとに、 時間をおいて筋肉に痛みが出ることがあります。

これは一般に遅発性筋肉痛 (Delayed-Onset Muscle Soreness:DOMS) と呼ばれます。

特に、筋肉が力を発揮しながら伸ばされる エキセントリック収縮を多く伴う運動では、 DOMSが起こりやすいとされています。

ただし、運動後に生じるすべての痛みが DOMSとは限りません。 鋭い痛みや腫れ、著しい筋力低下などがある場合は、 通常の筋肉痛と決めつけないことが重要です。

DOMS Delayed-Onset
Muscle Soreness

運動後、時間をおいて生じる筋肉の痛み。 運動内容や身体の状態によって 現れ方には個人差があります。

※医学的な診断を行うための説明ではありません。

03 / RESEARCH EVIDENCE

研究では、
どのような結果だったのか。

ここでは、運動前後のストレッチと筋肉痛の関係を 検討した代表的な3つのレビューを比較します。

FEATURED RESEARCH 2025
−0.06 STANDARDIZED MEAN DIFFERENCE 筋肉痛に関する統合効果量

運動後ストレッチと
ストレッチなしを比較。

Zhangらは2025年、 運動後のストレッチが下肢の回復に与える影響を メタ分析で検討しました。

対象は15研究、合計465人。 静的ストレッチ、動的ストレッチ、 PNFストレッチなどが含まれています。

筋肉痛に関する統合効果量は SMD −0.06、 95%信頼区間 −0.32〜0.19、 p=0.63でした。

この分析では、ストレッチをしない場合と比べて、 筋肉痛を有意に軽減する効果は 確認されませんでした。

過去の研究でも、似た傾向が報告されています。

研究対象主な結果注意点
Herbert et al.
2011
12研究
Cochraneレビュー
運動前後のストレッチによる 臨床的に重要な筋肉痛軽減は 確認されなかった 研究の質は低〜中程度。 主に健康な成人が対象
Afonso et al.
2021
11件のRCTをレビュー
メタ分析は10研究・229人
安静と比較して、 24・48・72時間後の筋肉痛に 明確な差は見られなかった 研究数が少なく、 エビデンスの確実性は非常に低い
Zhang et al.
2025
15研究
465人
筋肉痛への統合効果量は SMD −0.06。 有意な改善は確認されなかった 主に健康な人の下肢を対象。 施術型ストレッチ全般への 一般化はできない

ESL編集部による研究比較。 研究ごとに対象者・ストレッチ方法・比較条件が異なるため、 研究数や参加人数を単純に合算したものではありません。

04 / HOW TO READ THE RESULTS

「効果が確認されない」と、
「絶対に効果がない」は違う。

2025年のメタ分析では、 筋肉痛に対する統合効果量が SMD −0.06と報告されています。

これは、今回まとめられた研究全体では、 ストレッチの有無による筋肉痛の差が ごく小さかったことを示します。

また、95%信頼区間は −0.32〜0.19でした。 この範囲には効果がないことを表す 0も含まれています。

THREE IMPORTANT POINTS
01

統合結果では、筋肉痛の軽減に 明確な優位性が確認されていない。

02

研究結果には不確実性があり、 すべての条件で効果がないと 証明されたわけではない。

03

運動後の筋肉痛を対象とした研究結果を、 慢性的な身体の張りや、 施術型ストレッチの効果へ そのまま当てはめることはできない。

研究を読む際には、 結果の方向だけでなく、 誰を対象に、何と比較し、 どのような変化を測定したのかを 確認することが大切です。

05 / PURPOSE MATTERS

では、運動後に
ストレッチをする意味は?

筋肉痛を予防することだけが、 ストレッチの目的ではありません。 目的を分けて考えると、使い方も整理しやすくなります。

01 / SORENESS

筋肉痛を予防したい

研究では明確な優位性が確認されていません。 筋肉痛を防ぐために、 必ずストレッチをしなければならない と考える必要はありません。

研究上の評価:明確な効果は未確認
02 / MOBILITY

関節を動かしやすくしたい

可動域の変化は筋肉痛とは別の評価項目です。 ストレッチと可動域の関係については、 専用の研究解説で整理しています。

可動域に関する研究を見る ↗
03 / COMFORT

身体を落ち着かせたい

軽いストレッチを心地よいと感じるなら、 運動後の習慣として取り入れても構いません。 ただし、心地よさと筋肉痛の予防効果は 区別して考えます。

本人の感覚を尊重する
04 / CONDITION

身体の状態を確認したい

運動後に股関節や肩を動かしてみると、 普段と異なる張りや動きに気づくことがあります。 無理に伸ばすより、 その日の状態を把握することを優先します。

身体を観察する機会として

06 / PRACTICAL GUIDANCE

運動後は、
何を基準に考える?

運動後の身体の状態は、 その日の運動内容や疲労感によって異なります。

ストレッチをするかどうかを、 「運動後だから必ずやる」 というルールだけで決める必要はありません。

01

今の身体の状態を確認する。

普段より張りが強い場所はあるか。 動かしたときに違和感はないか。 まずは軽い動作で確認します。

02

ストレッチの目的を決める。

身体を動かしたいのか、 リラックスしたいのか、 可動域を確認したいのか。 目的に合わせて方法を選びます。

03

強い痛みを我慢しない。

運動後の疲れた筋肉に対して、 無理に強い伸張刺激を加える必要はありません。 痛みや不快感が強まる場合は中止します。

04

終わったあとにもう一度確認する。

動きやすさや感覚に変化があるかを確認します。 ただし、直後に軽く感じたことだけで 翌日の筋肉痛が減るとは判断できません。

POINT

ストレッチをすること自体を目標にせず、 今の身体に必要なことを考える。

07 / ESL PERSPECTIVE

身体のケアを、
一つの効果だけで
判断しない。

ESSENTIAL STRETCH LABは、 東京都目黒区・都立大学駅前で パーソナルストレッチとボディケアを 提供しています。

ESLでは、筋肉を伸ばすことだけでなく、 姿勢・関節・動作・本人が感じていることを 身体の状態を考える材料にしています。

施術によって感じた変化を大切にしながら、 その理由を必要以上に断定しない。 一度の施術で終わらず、 必要な方には継続して身体を相談できる関係を 目指しています。

なお、本記事で扱った運動後の セルフストレッチ研究の結果を、 ESLの施術効果として直接主張するものではありません。

ESLのパーソナルストレッチについて ↗

08 / QUESTIONS

よくある疑問。

運動後にストレッチをすると筋肉痛は減りますか?

2025年のメタ分析では、 ストレッチをしない場合と比較して、 筋肉痛を有意に軽減する効果は 確認されませんでした。 ただし、すべての人・方法で 効果がないと証明されたわけではありません。

筋肉痛があるときにストレッチしてもいいですか?

軽い筋肉痛であれば、 痛みを強めない範囲で身体を動かすことは 一つの選択肢です。 ただし、強い痛みを我慢して 伸ばす必要はありません。 症状が強い場合や通常と異なる痛みがある場合は、 医療機関へご相談ください。

筋肉痛を防げないならストレッチは不要ですか?

不要とは限りません。 可動域の確認、柔軟性への取り組み、 リラックスなど、筋肉痛予防とは 異なる目的で行うこともできます。

強く伸ばすほど回復しますか?

強い刺激ほど回復が促進されるとは言えません。 刺激の強さについては、 ストレッチの強度を考える記事 も参考にしてください。

09 / REFERENCES

参考文献と
記事の編集方針。

  1. Zhang P, Chen J, Xing T. (2025).

    Effects of post-exercise stretching versus no stretching on lower limb muscle recovery and performance: a meta-analysis.

    Frontiers in Physiology, 16, 1674871. DOI / 原著論文 ↗
  2. Afonso J, et al. (2021).

    The Effectiveness of Post-exercise Stretching in Short-Term and Delayed Recovery of Strength, Range of Motion and Delayed Onset Muscle Soreness: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.

    Frontiers in Physiology, 12, 677581. DOI / 原著論文 ↗
  3. Herbert RD, de Noronha M, Kamper SJ. (2011).

    Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise.

    Cochrane Database of Systematic Reviews, CD004577. DOI / Cochraneレビュー ↗
EDITORIAL NOTE

この記事について

本記事はESSENTIAL STRETCH LABの編集記事です。 公開されたシステマティックレビューと メタ分析をもとに、 運動後のストレッチと筋肉痛の関係を 一般向けに整理しています。

ESL独自の臨床試験結果ではありません。 また、研究対象となったストレッチ方法と、 ESLで提供する施術型ストレッチは 必ずしも同一ではありません。

TECHNICAL SUPERVISION

山岸 慎

技術監修|STUDIO KOMPAS/パーソナルトレーナー/NSCA-CSCS

ストレングス&コンディショニング、 関節可動域、姿勢・動作評価などの専門知識をもとに、 ESLのストレッチプログラムと施術設計の 技術監修に携わっています。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。 ESLは医療機関ではなく、診断・治療を行いません。 強い痛み、著しい腫れ、しびれ、急な筋力低下、 外傷後の症状などがある場合は、 医療機関へご相談ください。

ESSENTIAL STRETCH LAB / TOKYO

身体を知ることから、
ケアを考える。

ESSENTIAL STRETCH LABでは、 身体の状態を確認しながら、 一人ひとりに合わせた パーソナルストレッチとボディケアを提供しています。

ESSENTIAL STRETCH LAB
東京都目黒区平町1-26-17 ソシアル都立大104
東急東横線 都立大学駅 徒歩0分

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