片側のストレッチで反対側も柔らかくなる?11研究から非局所効果を解説|ESL | 都立大学駅の整体・ストレッチのエッセンシャルストレッチラボ
ESSENTIAL STRETCH LAB 公式ロゴRESEARCH JOURNAL / 2026

STRETCHING SCIENCE / NON-LOCAL EFFECT

右脚を
伸ばしたら、
左脚も
柔らかくなる?

ストレッチしていない場所まで、
動きやすくなることがある。

片側の筋肉を伸ばしたあと、 反対側や離れた関節の可動域にも 変化が見られることがあります。 11研究を対象としたメタ分析から、 この現象を考えます。

2026.10.25 ESL EDITORIAL EVIDENCE REVIEW
ESSENTIAL STRETCH LABで身体を支えながら行うストレッチ施術
ESSENTIAL STRETCH LAB
PERSONAL STRETCH & BODY CARE
11 STUDIES 対象研究数
14 MEASURES 独立した測定結果
0.86 STANDARDIZED EFFECT 統合された標準化平均差
01 THE ANSWER

FIRST, THE CONCLUSION

伸ばしていない
関節にも、
変化は起こり得る。

ストレッチの影響は、 伸ばした筋肉の周囲だけに 限定されるとは限りません。

例えば、片側の脚に静的ストレッチを行ったあと、 反対側の脚でも関節可動域が増加する。

このような現象は、 ストレッチ研究において 「非局所効果(Non-local effect)」や 「クロスオーバー効果」と呼ばれています。

2021年のシステマティックレビュー・メタ分析では、 片側の受動的な静的ストレッチ後に、 伸ばしていない関節の受動的可動域も 増加することが報告されました。

ただし、すべての人や関節で 同じ変化が起こるという意味ではありません。

KEY FINDING

身体の一部分を伸ばした。
それでも、
変化は一部分に限らないことがある。

02 UNDERSTANDING THE EFFECT

WHAT IS A NON-LOCAL EFFECT?

「伸ばした場所」と
「変化した場所」が
違う。

研究では、ストレッチを行った関節だけでなく、 伸ばしていない関節の可動域も測定しています。

01 / INTERVENTION
A

片側を伸ばす

一方の筋群に 静的ストレッチを行う。

02 / MEASUREMENT
B

別の場所を測る

伸ばしていない側や 離れた関節の可動域を確認。

03 / OBSERVATION
ROM

可動域に変化

一部の研究で、 受動的可動域の増加を確認。

研究の概念を簡略化した図です。 すべての関節で変化が起こることを示すものではありません。

そもそも、可動域とは?

関節可動域(Range of Motion:ROM)は、 関節が動く範囲を表す指標です。

例えば、股関節を曲げる角度、 肩を上げる角度、 足首を曲げる角度などが該当します。

また、本人が筋肉を働かせて動かす 「自動可動域」と、 外から力を加えて動かす 「受動可動域」は区別されます。

今回紹介するメタ分析が主に評価したのは、 受動的な関節可動域です。

可動域が広がる仕組みを詳しく読む ↗
03 SCIENTIFIC EVIDENCE

SYSTEMATIC REVIEW & META-ANALYSIS

11研究から
見えてきたこと。

Behmらは2021年、 片側への受動的な静的ストレッチが、 伸ばしていない関節の可動域へ 与える影響を検討しました。

11研究から14の独立した測定結果を抽出し、 非局所的な可動域変化を統合的に分析しています。

FEATURED RESEARCH BEHM ET AL. / 2021

NON-LOCAL ROM CHANGE

伸ばしていない関節でも、
可動域の増加が報告された。

片側の静的ストレッチ後に、 伸ばしていない関節の受動的可動域が 増加する傾向が認められました。

0.86 STANDARDIZED
MEAN DIFFERENCE

SMD 0.86は、 何を意味するのか。

SMDは、研究ごとに異なる測定尺度の結果を 標準化して比較するための指標です。

0.86という数値は、 可動域が0.86度増えた、 あるいは86%改善したという意味ではありません。

このレビューでは、 非局所的な可動域増加について 中程度の大きさの効果として報告されています。

研究結果を読む際には、 効果量の大きさと、 実際の生活でどの程度意味がある変化なのかを 分けて考える必要があります。

ORIGINAL RESEARCH

Non-local Acute Passive Stretching Effects on Range of Motion in Healthy Adults: A Systematic Review with Meta-analysis

Behm DG, et al. Sports Medicine. 2021;51:945–959.

原著論文を確認する ↗
04 POSSIBLE MECHANISMS

WHY DOES IT HAPPEN?

伸ばしていないのに、
なぜ変化する?

ここで重要なのは、 可動域が増加したという結果と、 その理由を区別することです。

01 / SENSORY RESPONSE

伸ばされる感覚

関節を動かす際には、 筋肉や周囲組織からの感覚情報が関わります。

伸張に対する感覚や許容範囲の変化は、 可動域の変化を考えるうえで 重要な要素の一つです。

02 / NEURAL RESPONSE

神経系の関与

身体の一部分への刺激が、 他の部位の反応と関連する可能性も 研究上の検討対象です。

ただし、今回のメタ分析だけで 特定の神経学的メカニズムが 証明されたわけではありません。

03 / MEASUREMENT

測定条件の影響

可動域には、 測定姿勢、測定方法、 本人の感覚なども関係します。

そのため、観察された変化を すべて同じ仕組みで説明することはできません。

「筋肉が長くなった」とは限らない。

ストレッチ後に可動域が広がると、 筋肉そのものが長くなったと考えることがあります。

しかし、可動域の増加は 筋肉の構造的な変化だけで説明できるものではありません。

2025年のシステマティックレビューでは、 静的ストレッチによる可動域の変化に関して、 受動的な硬さや伸張耐性などが検討されています。

一方で、筋束長については、 単回・継続的な静的ストレッチのいずれも、 研究全体で有意な変化は確認されませんでした。

ただし、これは非局所効果の仕組みを 直接証明した結果ではありません。

筋硬度・伸張耐性・筋束長の研究を読む ↗
05 LIMITATIONS OF EVIDENCE

WHAT WE CANNOT CONCLUDE

この研究だけでは、
言えないこと。

01

すべての人に起こるとは限らない。

レビューの対象は健康な成人です。 年齢、身体の状態、関節、実施条件が違えば、 同じ結果になるとは限りません。

02

長期間続くとは証明されていない。

今回のレビューは、 単回のストレッチ後に生じる 急性の可動域変化を中心に検討しています。 長期的な柔軟性改善を直接示すものではありません。

03

痛みの改善を示した研究ではない。

主な評価項目は受動的な関節可動域です。 肩こりや腰痛の改善、 日常生活上の機能改善まで 証明したものではありません。

04

パーソナル施術の優位性を 証明したものではない。

研究で扱われた静的ストレッチと、 複数の手技を組み合わせる ボディケアは同一ではありません。 この結果から特定のサロンの施術効果を 直接判断することはできません。

ESL EDITORIAL NOTE

研究で起きたこと。
目の前の身体で起きたこと。
その二つは、分けて考える。

06 BODY ASSESSMENT

FROM SCIENCE TO ASSESSMENT

身体の変化を、
どう確かめる?

ストレッチ後の変化を考える際には、 動いた範囲だけでなく、 何をどのように測ったのかも重要です。

01 / BEFORE

最初の状態を確認

どの動きが気になるのか。 左右差はあるのか。 動かしたときに何を感じるのか。

02 / DURING

刺激と反応を確認

どこに伸張感があるか。 無理なく受けられる強さか。 本人の感覚を確認します。

03 / AFTER

同じ条件で再確認

施術前と同じ動作を確認。 角度の変化と本人の感覚を 分けて評価します。

数字が変わったことと、 身体が変わったことは同じではありません。

関節可動域の測定には誤差があります。 小さな角度差をすべて施術の効果と判断せず、 測定の信頼性も考慮する必要があります。

可動域測定の誤差・MDCについて読む ↗
07 ESSENTIAL STRETCH LAB

OUR POINT OF VIEW

一部分だけで、
身体を決めない。

ESSENTIAL STRETCH LABは、 東京都目黒区・都立大学駅前で パーソナルストレッチと ボディケアを提供しています。

肩が重いときに、 必ず肩だけが問題とは限りません。

股関節が動きにくいときも、 一つの筋肉だけを見れば 理由が分かるとは限りません。

ESLでは、理学療法士・トレーナーの 専門的な視点を取り入れ、 必要に応じて姿勢、関節可動域、 身体の動きを確認します。

そのうえで、深層調整ストレッチと ボディケアを組み合わせながら、 その日の身体に合う方法を考えます。

今回紹介した研究は、 こうした身体の見方を考える 一つの材料です。 ESLの施術で同じ非局所効果が 必ず起こるという意味ではありません。

ESSENTIAL STRETCH LABで首肩まわりの状態を確認しながら行う施術
BODY CONSULTANT

一度の施術で、
すべてを決めない。

身体の状態は日によって変わります。 仕事、運動、睡眠、生活環境。 そのときの身体と本人の希望を確認し、 必要な方には継続的に相談できる関係を目指します。

ESLのパーソナルストレッチを見る ↗
08 FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

QUESTIONS

よくある疑問。

片側を伸ばすと、反対側も必ず柔らかくなりますか? +

必ずではありません。 2021年のメタ分析では、 伸ばしていない関節の受動的可動域が 増加する傾向が報告されています。 ただし、すべての人や関節で 同じ変化が起こるとは限りません。

反対側の筋肉も長くなったということですか? +

そのようには判断できません。 可動域が増加することと、 筋肉の構造的な長さが変化することは 同じではありません。

片側だけストレッチすれば十分ですか? +

今回の研究だけで、 片側のストレッチが両側のケアを 完全に代替すると判断することはできません。 目的や身体の状態に応じて考える必要があります。

肩を伸ばせば腰の不調も改善しますか? +

そのような結論は得られていません。 今回の研究が扱った主な指標は 受動的な関節可動域です。 肩こりや腰痛の改善を 直接証明するものではありません。

ESLでは身体のどこを確認しますか? +

気になっている場所や本人の希望を伺い、 必要に応じて姿勢、関節可動域、 左右差、身体の動きを確認します。 全員に同じ評価や施術を行うわけではありません。

09 REFERENCES & SUPERVISION

SCIENTIFIC REFERENCES

参考文献と
監修情報。

01 / PRIMARY REFERENCE

Behm DG, et al. (2021).

Non-local Acute Passive Stretching Effects on Range of Motion in Healthy Adults: A Systematic Review with Meta-analysis. Sports Medicine, 51, 945–959.

原著論文 ↗
02 / RELATED RESEARCH

Keogh JWL, et al. (2019).

Reliability and validity of clinically accessible smartphone applications to measure joint range of motion: A systematic review. PLOS ONE, 14(5), e0215806.

原著論文 ↗
EDITORIAL POLICY

この記事について

本記事はESSENTIAL STRETCH LABの編集記事です。 公開された研究をもとに、 ストレッチによる非局所的な可動域変化を 一般向けに解説しています。

ESL独自の臨床試験ではありません。 また、研究結果をESLの施術効果として 直接主張するものではありません。

本記事は一般的な情報提供を目的とし、 医学的な診断・治療を行うものではありません。 強い痛み、しびれ、外傷後の症状、 急な筋力低下などがある場合は 医療機関へご相談ください。

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