STRETCHING / SLEEP / EVIDENCE
寝る前の
ストレッチで、
睡眠の質は
良くなる?
身体を伸ばすと、よく眠れる。
その説明は、どこまで研究で確かめられているのでしょうか。
2024年に発表された16研究のレビューを中心に、 ストレッチと睡眠の関係を整理します。 期待される効果だけでなく、 まだ分かっていないことも確認します。
Alimoradi et al., 2024。 16研究中、睡眠関連指標を扱った13研究のうち、 3研究で少なくとも1項目の有意な改善が報告されました。
FIRST CONCLUSION
可能性はある。
ただし、
十分な証拠はまだない。
ストレッチをすると、 睡眠の質が良くなる。
この考え方は、必ずしも間違いとは言えません。 実際にストレッチと睡眠の関係を調べた研究では、 一部の睡眠指標に好ましい変化が報告されています。
しかし、研究全体を見ると、 明確な改善が確認されなかった研究も多くあります。
2024年のスコーピングレビューでは、 ストレッチが睡眠に与える影響について、 現時点の科学的根拠は限定的であると結論づけています。
THREE DIFFERENT OUTCOMES
「よく眠れた」は、
一つの数字ではない。
睡眠に関する研究では、 複数の異なる指標が使われます。
睡眠の質
SLEEP QUALITYよく眠れたと感じるか。 睡眠による休養感があるか。 質問票などを使って評価することがあります。
寝つき
SLEEP ONSET LATENCY寝床に入ってから、 眠りにつくまでにかかる時間です。 睡眠の質とは別の指標です。
睡眠時間
TOTAL SLEEP TIME実際に眠っていた時間です。 長く眠れたことと、 十分な休養感が得られたことは 必ずしも同じではありません。
ここが重要です。 ある研究で寝つきが変わっても、 睡眠時間や主観的な睡眠の質まで 同じように変化したとは限りません。
EUROPEAN JOURNAL OF APPLIED PHYSIOLOGY
16研究を調べた
2024年のレビュー。
Alimoradi、Hosseini、Konradの3名は、 ストレッチを継続的に行うことが 睡眠にどのような影響を与えるかを検討した スコーピングレビューを発表しました。
採用されたのは16研究、合計1,281人。 このうち13研究が睡眠の質などの指標を扱い、 3研究は夜間の脚のけいれんを調べていました。
睡眠関連の13研究中、
有意な改善を報告したのは3研究。
残る10研究では、 評価した睡眠関連指標について 統計的に有意な変化は報告されませんでした。
なぜ、研究結果に違いがあるのでしょうか。
研究ごとに、対象者やストレッチの方法が異なるためです。
不眠の訴えがある人、閉経後の女性、 高齢者、特定の疾患を持つ人など、 研究対象は一様ではありません。
また、ストレッチする部位、時間、頻度、 実施期間も異なっています。
こうした条件が揃っていない研究を まとめて解釈する際には注意が必要です。
Mohammad Alimoradi, Elham Hosseini, Andreas Konrad. (2024). A scoping review of the effect of chronic stretch training on sleep quality in people with sleep disorders. European Journal of Applied Physiology, 124, 2533–2545.
研究原文を確認する ↗THREE IMPORTANT DISTINCTIONS
研究結果を、
正しく受け取るために。
「効果が確認されない」は、 「効果がない」と同じではない。
統計的に有意な差が見られなかった場合でも、 すべての人に効果がないと証明されたわけではありません。 研究の規模や測定方法も考慮する必要があります。
心地よさと、 睡眠への効果は分けて考える。
ストレッチを心地よいと感じることは、 本人にとって意味のある体験です。 ただし、その感覚だけで 睡眠時間や睡眠効率が改善したとは判断できません。
セルフストレッチの研究を、 施術型ストレッチへそのまま当てはめない。
自分で行うストレッチと、 施術者が身体を支えて行うストレッチでは、 実施条件が異なります。 今回のレビューは、 ESLの施術による睡眠改善効果を 直接検証したものではありません。
ESL RESEARCH NOTE身体が軽く感じること。
よく眠れたと感じること。
研究で睡眠指標が変化すること。
それぞれを、同じ意味にしない。
BEFORE BED
寝る前に
ストレッチするなら。
睡眠改善のための特別な方法としてではなく、 身体の状態を確認する穏やかな時間として 取り入れてみてください。
無理に伸ばさない。
強い痛みを我慢する必要はありません。 心地よく動かせる範囲を選びます。
呼吸を止めない。
力まずに呼吸を続けられる強さを目安にします。 無理に深く呼吸しようとする必要もありません。
目的を一つ決める。
肩を軽く動かしたい。 腰まわりの張りを確認したい。 今日は静かに身体を休ませたい。 その日の目的に合わせます。
ストレッチを行わなければ眠れない、 毎日必ず続けなければならない、 と考える必要はありません。 かえって負担になる場合は、 行わない選択もあります。
SLEEP HEALTH
睡眠は、
ストレッチだけで
決まらない。
厚生労働省の 「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、 睡眠時間や休養感に加えて、 睡眠環境、運動習慣、食事、嗜好品など、 生活全体を考えることが示されています。
寝る前にストレッチをしていても、 睡眠時間が十分に確保できていなければ、 それだけで休養の問題が解決するとは限りません。
ESSENTIAL STRETCH LAB / BODY CARE07 / ESL PERSPECTIVE
リカバリーを、
一つの効果で
説明しない。
ESSENTIAL STRETCH LABは、 東京都目黒区・都立大学駅前で、 パーソナルストレッチとボディケアを提供しています。
ESLでは、身体をケアするときに、 姿勢・関節・動作・本人の感覚などを 必要に応じて確認します。
ストレッチで身体を動かしやすくしたい日もあれば、 施術者に身体を預けて休みたい日もあります。
その日の身体と希望に合わせて、 深層調整ストレッチやボディケアを組み合わせます。
一度の施術で身体について決めつけず、 必要な方には継続して状態を確認しながら、 身体のコンサルタントとして関わることを 大切にしています。
QUESTIONS
よくある疑問。
寝る前のストレッチは睡眠の質を良くしますか? +
一部の研究では睡眠関連指標の改善が報告されていますが、 2024年のレビューでは、 多くの研究で統計的に有意な改善は確認されませんでした。 睡眠改善効果が確立しているとは言えません。
何分ストレッチすればよく眠れますか? +
睡眠改善を目的とした最適なストレッチ時間は、 現時点で確立していません。 研究ごとに実施時間や頻度が異なるため、 一律に何分が最適とは言えません。
ストレッチでリラックスすることに意味はありますか? +
心地よさやリラックス感は、 本人にとって大切な体験です。 ただし、そうした感覚と、 客観的な睡眠指標の改善は区別して考える必要があります。
ストレッチ施術を受ければ睡眠が改善しますか? +
今回紹介した研究は、 ESLで提供する施術型ストレッチの 睡眠改善効果を直接検証したものではありません。 ESLの施術によって睡眠障害が改善するとは お約束できません。
眠れない状態が続く場合はどうすればいいですか? +
不眠や強い日中の眠気が続く場合、 生活習慣だけで対処しようとせず、 医療機関などの専門家へ相談してください。 ESLは睡眠障害の診断・治療を行う施設ではありません。
SCIENTIFIC REFERENCES
参考文献と
編集方針。
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Alimoradi M, Hosseini E, Konrad A. (2024).
A scoping review of the effect of chronic stretch training on sleep quality in people with sleep disorders. European Journal of Applied Physiology, 124, 2533–2545.
DOI / 原著論文 ↗ -
厚生労働省(2023)
健康づくりのための睡眠ガイド2023。 睡眠時間、休養感、生活習慣、睡眠環境などに 関する公的ガイド。
厚生労働省公式資料 ↗
この記事について
本記事はESSENTIAL STRETCH LABの編集記事です。 公開された研究と公的資料をもとに、 ストレッチと睡眠の関係について 一般向けに整理しています。
ESL独自の臨床試験結果ではありません。 また、セルフストレッチを対象とした研究結果を、 ESLの施術効果として直接主張するものではありません。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、 医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
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